貧酸素水塊とは何ぞや
貧酸素水塊がどんな現象なのか、釣り人視点で調べた内容をまとめてみたぞい。
その字のごとく酸素が乏しい水の塊を指す水産学の用語、それが貧酸素水塊。
閉鎖的な地形の内湾で起こる現象で、日本においては東京湾・伊勢湾・三河湾・大阪湾でよく発生するっていう。
貧酸素水塊が発生しやすいとされる4つの湾のうち、地元ってことで大阪湾の地図を参考にしてみます。
よくよく大阪湾を眺めてみれば、左上つか北西らへんの明石海峡と、下というか南にある紀伊水道だけしか海水の通り道が空いてないのよね。
大阪湾沿岸の埋立地に加えて、大阪湾中心部分へ突き出した様な形で神戸空港や関西国際空港もある。これでは、時計回りだろうが反時計回りだろうが水の流れが遮られていて、そもそも湾内の海流すら滞ってそうな感じ。
見た目通りの閉鎖された内湾っぷり丸出しなのが大阪湾なんやな~と。気持ちとしては受け入れがたいけど、貧酸素水塊が発生する理由としては納得せざるをえない事が明らかになっちゃったのよね。
夏場の内湾は貧酸素になりがち
気温が上昇して海水温も高くなる夏期が、貧酸素水塊が形成される主なシーズンになっているようです。
内湾沿いを釣り場として楽しんでいる釣り人にとっては、雨がうっとおしい梅雨が過ぎて、本格的な夏に入ってお盆の前後で時間もとれて遊びやすいっていう、ちょうどそんな時期って言うと伝わりやすいかも知れない。
ウキウキな時期に到来する招かれざる魔の現象、それが貧酸素水塊なり。
貧酸素水塊のメカニズム
海中の溶存酸素量が極めて不足している水の層が生じて生き物の活動を妨げる。
そういった説明がなされている貧酸素水塊ですが、釣り人にとって端的に言うと釣果が落ちる。というか無くなるまである良くない現象なのです。ひぇ…。
どうやって貧酸素水塊が生まれるのか、釣りにどう関わってくるのか。発生の仕組みと引き起こされる影響を調べてみました。
貧酸素水塊の形成
- 暖められた表層の海水温と、低層の海水温とで比重の差が生じる
- 表層と中層だけで海水が循環されて、低層までの混合が妨げられる
- 循環されてない低層で暮らす微生物が酸素を消費し続ける
- 酸素が少ない水の層が形成される
- 貧酸素の層で生物が窒息したり、毒性の高い硫化水素が発生する
貧酸素より酷いのもある
微生物により完全に酸素が消費され尽くされると、無酸素水塊という呼ばれる状態に陥ってしまうことも有り得るとのこと。無て。酸素ないとか息できへんやん。
その無酸素の水の塊が風や潮流の変化で海面に上昇してきて、生物の大量死をもたらすこともある。ヤベえ。
魚が酸素を求めてあっぷあっぷ
貧酸素になった水域からは生き物が消えていきます。死の海のようにパッタリと釣れなくなります。自在に動き回る回遊魚はもちろん逃げるでしょう。回遊魚以外のカサゴの様な根魚、砂地のカレイ、海底を這うタコとか居付きの生き物でも賢い個体は察知してすぐどっか酸素のあるとこに逃げていってるのが当然かと思われます。
真夏の怖い話💀
— つきナポ@釣りツーリング𓆝 (@tsuri_touring) 2020年8月30日
…おわかり頂けただろうか?
カレイが表層まで浮いてるし‼️
ビビるほどの貧酸素🌊
カフェオレ色か抹茶色の潮、ソレが俺等ホームのリアル🤣
ちな、チヌ師は爆釣してました👍スゴい✨#釣果 #陸っぱり #沖堤防 #大阪湾#釣り #フィッシング #fishing #angling #釣り好きと繋がりたい pic.twitter.com/AecwUJ3kbR
動き回るのを常としている青物にとってはまだマシでしょうけど、そんな回遊魚たちにとっても、なんかココらへんめっちゃ息苦しい水域やんって感じで酸素が少ないと感じたら泳ぐのは避けますよね。
さらに澱み過ぎて硫化水素が発生すると、青潮とか苦潮と言われる毒の海となる場合もあると。そうなればもはや釣りどころの話じゃない。規模によっては水産業に大打撃というニュースにもなるやつ。
貧酸素水塊に対して釣り人は
では閉鎖湾内近郊の釣り人は、貧酸素水塊が発生したらどうしたらいいのか。
貧酸素水塊の情報を得る
まずは正しく貧酸素水塊の最新情報を得るってことが大事よね。
海の溶存酸素量は水産業にめっちゃ重要なので、自治体や研究機構が貧酸素水塊の調査結果を公表してくれています。
日本全国いろいろな水産分野の団体が海の調査をしてくれてますが、どうも調査結果の速報が見られるサイトってのはそう多くない印象です。あとPDFやExcelドキュメントで別途調査資料をダウンロードさせる形が多いのが、単にブラウズ目的な人間には面倒ですね…。
そんなこんなで、東京湾・伊勢湾・三河湾・大阪湾といった貧酸素水塊が特に発生しやすいとされる内湾について公開されている情報をまとめてみました。
東京湾貧酸素水塊分布予測システム
http://wwwp.pref.chiba.lg.jp/pbcbsuishi/cbtk/04tk-suitei/04tksuitei000.htm
6時間おきに更新して表示されている東京湾の貧酸素水塊データ。更新頻度はピカイチで、情報取得の観点ではめちゃ優れてる。東京都ではなく千葉県水産総合研究センターが公開してくれてます。
千葉やけど東京…ディ○ニーランド的な何かを感じる。
伊勢・三河湾貧酸素情報
月に3~5回更新される伊勢湾と三河湾の貧酸素水塊調査結果が、平成27年分からズラッと公開されています。なもんでめっちゃ下に長いページになってしまってたり。楽天の商品ページ的なテイスト。さらにPDFで別途ダウンロードっていう一手間かかるタイプ。愛知県水産試験場の漁業環境研究部が調査してくれてます。
大阪湾貧酸素水塊分布情報
4月から10月の大阪湾で、毎月2~4回調査と更新されてます。地方独立行政法人の大阪府立環境農林水産総合研究所が公開してくれています。
ご覧の通りリンクを貼っただけでサムネイルが表示されるっていう、URLに対してのOGPが設定されていますね~。他の湾の情報ページと比較すると一目瞭然で、閲覧者の身になった公開の仕方をされてらっしゃるのが判ります。日本の貧酸素水塊情報を公開しているサイトの中で、UX(ユーザーエクスペリエンス)が優れてるのが大阪湾のやつやったっちゅ~のがめっちゃ意外性あるやん…。
夏の釣りと貧酸素水塊
なかなか生き物に対してタチの悪い現象だという事がわかった貧酸素水塊。
遊び場にしてる海域が貧酸素になったらもう、雨とか風とか季節の移り変わりを待つしか無いと思うんですよね~釣り人は。
ぶっちゃけ釣り場か釣り物を変えて遊びましょうっていう話になってきます。
地元なんでまた持ち出しますが、大阪湾で言えば出来てしまった埋立地や関空ってもはやイチ釣り人がどうする事もできないし、残念ながら貧酸素水塊が発生すればありのままを受け入れる他はありません。ありの~♪ままで~♪
出来ることと言えば、自治体や研究機構が公表しているデータを把握するくらいですので、日本各地の閉鎖的な湾内で貧酸素水塊を計測している前述のリンク先情報を定期的にチェックしてお役立ていただければと思う次第です。
夏場に海で釣りを楽しむなら、貧酸素になった湾内よりも太平洋側や日本海側の潮通しの良い磯や浜で遊ぼうよ~っていうのが、とほほながらも現状では一番賢い結論かもしれません。
あわせて知っときたい釣り雑学
世界での釣具業界の市場規模は140億ドル(2020年)で、シェア第1位の釣具メーカーがグローブライド(ダイワ)6.12%・2位がシマノ 5.36%・3位がピュアフィッシング(AbuGarcia、Berkleyなど)3.93%、次点がラパラVMC 2.23%です。※出典:Deallab
安くて使えるABUでアブなげない釣りを楽しんでますが、わが日本メーカーのリールやロッドの高性能さはモチロン充分認めるところです。
少々値が張っても良い物を長く使うってのが、やっぱ一番気持ち良く遊べる。コレ!という決定版の釣具が日本製品ってのは誇らしいですね~。
- 日本が誇る世界最高峰のリール
▼ DAIWA IMZリミットブレイカー
スマホと繋がるベイトリール
▼ SHIMANO アンタレスDCMD
シマノのハイエンドベイトリール
▼ SHIMANO STELLA(ステラ)
シマノのスピニングと言えばステラ
▼ DAIWA EXIST(イグジスト)
ダイワの最上級スピニングリール