ABUのAMB
アブガルシアのアンバサダー(Ambassadeur)は、スウェーデンで生まれて世界に羽ばたいた丸型リールの名作シリーズって事で知られてます。知られてますよね、もちろん。うん。
シマノやダイワといった国内二大巨頭メーカーの釣具が今程の技術も信頼も無い数十年前には、アンバサダーシリーズは釣り人憧れの舶来リールとして愛用されてました。ところが、今現在は懐古的に収集されたり自己満カスタマイズをゴリゴリに施されたりと、一昔前と比べれば随分偏った趣味的な愛され方をしてる気がします。かくいう自分もその端くれだったり。
日本未発売の現行アンバサダー
アブガルシアは元々スウェーデン創業、現在はアメリカのピュアフィッシング社の傘下として存続してます。
日本ではピュアフィッシングジャパンが商品の開発や販売をしてますが、母体であるピュアフィッシング社自体が売り買いされながら投資会社を行ったり来たりしてます。経営陣が変われば事業方針も変わるので、ブランディングの方向性がいまいち定まってない印象があります。
AbuGarciaブランドだけとってみても、米国・欧州・アジアでバラバラに異なる商品群と宣伝手法ですし、釣具ブランドとしてのグローバルな統一感が今一つ希薄な気がするんですよね~。
それはそれとして、U.K.のABU公式サイトを見てたらRevoシリーズにもラインナップされているパワー系商品群の名称『BEAST』を冠したambassadeurの現行品が登場してたってわけです。
国外のABU公式サイトには載ってる
Ambassadeur™Beast™ HD Reelabugarcia-fishing.co.uk
アンバサダービーストに関して日本の販売網には何の気配もないし、個人的には飾ったり集めたりではなく今どきのアブの丸形リールってのをゴリゴリ使ってみたいな~と思ってたので、ついポチッといってしまいました。なんか緑色かっこええし。
BEASTたる性能なんかいな
アブガルシアにはロープロファイルベイトリールのRevo(レボ)というブランドラインがあります。んでそのRevoにも『BEAST』というシリーズがありまして、かねてから愛用してます。
レボビーストはドラグが14kgあって、ぶっとい糸をいっぱい巻けて力こそパワーって感じで、その上価格が比較的安価で物怖じせず使いまくれてるとこが気に入ってるリールなんです。
で、アンバサダービーストの性能は…?
- ドラグ:8kg
- ライン:PE8号103m換算
- ベアリング:3つ
- ギア比:5.3:1
- 巻上長:65cm
ん~、スプール容量とローギアは良しとしてドラグが弱いしベアリング少なッ!
レボビーストとは比べるべくも無いスペックですが、カスタマイズ前提って事ね…。
レッツらオクトパッシング🐙
5000番台の丸型リール、アンバサダー。元々は欧州で盛んな淡水での大鯉釣り用っぽいってのは薄々知ってはいますが、『BEAST』を冠したレボビーストをタコ釣りに使ってるんでアンバサダービーストもタコ釣りに使ってみようと考えたわけです。
前述のライン容量がPE8号換算ってのは、そういうこってす。
この時点でたぶん日本にそれほどの数が入ってきてないリールなんで、もしかするとAMB BEASTことアンバサダービーストで日本初のタコ釣果だったりするのかも知れません。海外でタコ釣りでフィールドテストしてるとは到底考えられへんしw
やっぱカスタマイズ要るよね
ABUなげなくタコは釣ったものの、へばり付いたタコを剥がしたり根がかりから針を伸ばして復帰させるにはドラグパワーが決定的に不足してます。もうスプールが滑る滑る。あと、巻きの重みとゴリ感すっごい。
アンバサダービーストを箱出し状態でライン巻いただけでの使用感はズバリ、国内メーカー品の性能と価格を知っている日本人には到底受け入れられ難いダメダメ品質です。
アンバサダービーストにはドラグ強化・ベアリング増設といったカスタムはもはや宿命付けられていると言っても過言ではありません。
日本に入国してる数は希少であろうAMBビーストくん
— つきナポ@釣りツーリング𓆝 (@tsuri_touring) 2021年8月4日
カルコンより高くつくのに性能精度は到底及ばない哀しみ🤣
BB3個とか例のグリスとか虚弱ドラグとか巻き偏りとか…
ホンマに手が掛かるのぉ♪😍(嬉々#アブガルシア #abugarcia#アンバサダー #ambassadeur #purefishing #釣り #fishing #angling pic.twitter.com/sCZoRgKs4s
結論:ABU好きは大好物
アンバサダービーストの価格は、執筆時点にてスウェーデン・クローネで3,399.00ほど、ユーロで349.99くらいとなってます。
輸送費含まずでざっくり46,000円以上もしてこの程度の性能って事と、さらに各部カスタマイズの費用と手間が掛かるのを『だが、そこがいい!』と一笑に付せるアブガルシア好き&丸形リール好きにはうってつけのリールです。手が掛かる道具だからこそ愛着がわくってやつですよね~。
アンバサダービーストは釣具にこだわりを持ちたい人間にとって、この上ない逸品なのではないでしょうか。
アンバサダーのカスタム
カスタマイズをアンバサダービーストにいくつか施しました。
アンバサダービーストに限らず5000番・6000番台のアンバサダーにも共通するABU好きのアブなげないド定番改造ですので是非ご照覧あれい!
ABUオールド丸形リールの強化再生の一助になれば幸いです。
世界での釣具業界の市場規模は140億ドル(2020年)で、シェア第1位の釣具メーカーがグローブライド(ダイワ)6.12%・2位がシマノ 5.36%・3位がピュアフィッシング(AbuGarcia、Berkleyなど)3.93%、次点がラパラVMC 2.23%です。※出典:Deallab
安くて使えるABUでアブなげない釣りを楽しんでますが、わが日本メーカーのリールやロッドの高性能さはモチロン充分認めるところです。
少々値が張っても良い物を長く使うってのが、やっぱ一番気持ち良く遊べる。コレ!という決定版の釣具が日本製品ってのは誇らしいですね~。
- 日本が誇る世界最高峰のリール
▼ DAIWA IMZリミットブレイカー
スマホと繋がるベイトリール
▼ SHIMANO アンタレスDCMD
シマノのハイエンドベイトリール
▼ SHIMANO STELLA(ステラ)
シマノのスピニングと言えばステラ
▼ DAIWA EXIST(イグジスト)
ダイワの最上級スピニングリール